2010年12月10日

D&D4eボス戦についての改良案/パート3 LV3ボスモンスター・ブラッドナックル

前回の「D&D4eボス戦についての改良案」がパート1と2に相当する部分でしたが、
今回のはその続きの記事です。
パート4についてはまた後日という事で…。


[ブラッドナックルの誕生]
ブラッドナックルは、ボスモンスターの概念が実現できることを示すためのモンスターであり、単純なボスの構成となっている。一部を技能チャレンジに置き換えるような変則的な試みをする前に、基本形を見せておいたほうが良いだろう。

ブラッドナックルという名前はD&Dオンライン:エベロン(DDO)で見覚えがあるかもしれない。これは偶然ではなく、丁度私がこのゲームのクエストをD&D4版向けに移植している所だったからだ。特に、「ウォーターワークス」「コボルドの新しいリングリーダー」から始まる3つのアドベンチャーシリーズである。この冒険の最後に残忍なオーガ・エンフォーサが登場する。彼がブラッドナックルだ。


[ボスと3つの形態]
ボスモンスターの基本的なアイデアは、単独モンスターの問題点を改善するために考えられた。モンスター・マニュアル3などの最近の製品は単独モンスターにいろいろな修正を加えているが、まだ十分とは言えない。ボスモンスターは新たなプレイ感を提供すると考えている。

ボスモンスターの最も特徴的な点は3つの段階が存在しているということにあり、戦いは3つのステージに分けられる。パーティは1つのボスモンスターとは短期間しか戦わなず、次の戦いへと移行する。このときに、ボスは次のステージのボスに変化する。この変形は単なる戦術的な置き換えでもよいし、完全に異なった形態とすることも可能だ。

3つのステージからなるモンスターによって、戦いはよりダイナミックになりつつ達成感を得やすくなる。さらに、戦いが単調になるのを防ぐ効果もある。理想的には、あるステージで有効だった戦術が次のステージではあまり有効でなく、パーティは各ステージごとに違う戦い方をするべきであったりするとより良い。また、そうすることでパーティは戦闘開始直後に最強の能力やパワーを使いきってしまうのではなく、戦術に合わせて使うようになるだろう。

3ステージの戦いは、単独モンスターの問題点としてパート1で説明したすべてを解決するわけではない。特に、「アクションが無効化される問題」は解決しない。ボスモンスターはすべての状態異常をリセットするチャンスが2回あるが、その程度では十分に緩和されているとは言えない。

ブラッドナックルのデータを見れば、この点を解決するのを助けるためにいくつかの仕掛けをしてあるのに気づくだろう。


[注意点]
各段階のデータ書式は、従来型のモンスターとできるだけ同じ書式となるようにしてある。実際、次の段階への変形以外の部分は通常のモンスターと全く違いがない。

この3つの段階を含んだPDFをダウンロード出来るようにしておく。もしこのブラッドナックルをゲームで使用したら、Cris氏のサイトのコメント欄かメールで感想を書いてくれると嬉しい。

オリジナルのボスモンスターを作成したり、私がどうやってブラッドナックルを作成したかに興味がある人向けに、3つのステージについての簡単な解説を用意した。これに関しても読者の反応を期待する。

最後に、文章が十分に推敲されていないことをご了承願う。ブラッドナックルの開発メモであるため奇妙な言葉遣いや誤植があるかもしれない。

http://angrydm.com/wp-content/uploads/2010/08/bloodknuckles.pdf



■ブラッドナックル(ステージ1)
http://angrydm.com/wp-content/uploads/2010/08/bloodknuckles1.jpg

最初の段階ではブラッドナックルは非常に汚い戦士である。特に賢いわけではないが、凶悪でずるく開幕で優位に立つタイプ。彼は暴れ回る戦法を好み、一種のピット・ファイターである。
Doge and Throw のパワーを通じてその点を表現しようとしてる。(これは柔道投げのようにステップして敵を叩きのめす技である)。その後 Stomp and Kick によって追い打ちをかける。
ここで、パワーの名前についてはまだ検討中あることをあらかじめ謝っておく。

[HPとアクションポイント]
HPに関しては通常の単独モンスターの1/3ずつとしている。平均的な3レベルパーティのダメージの期待値から考えて、各ステージは2〜3ラウンドとなり、調度良い。ブラッドナックルは通常のモンスターと同じようには重傷にはならない。そのかわり、第三段階は常に重傷として扱われる。

各ステージのブラッドナックルはアクションポイントを1ずつ持つ。当初のアイデアでは2ずつにしようと考えていたが、それだと少しアクション過多であったため調整を行った。


[能力]
「機会攻撃の間合い」は単独モンスターにより多くのアクションを与え、より多く動きを与える方法の一つである。即応アクションと異なり、単独モンスターは敵の数だけ機会攻撃を行うことができる。ブラッドナックルは非常に押しの強いタイプであり、様々な対処法が考えられる。
動けない状態は私が対策した最初の方法である。実際、強制移動は単独モンスターに対してはそれほど酷いものではないが、動けない状態は彼の勢いを削ぐのにあまりにも効果的である。


[標準アクション]
ここでは特に珍しいことがない。ブラッドナックルはグレートクラブによる攻撃を行う。2回攻撃とシフトを行うパワーは彼にほどほどの機動力を与えるのに役立つよく見られる手法である。Stomp and Kick、Clubの任意の攻撃を選択することができる。

また、遭遇毎パワーが全くない。英雄級では、ボスモンスターは遭遇毎パワーを多くもつ必要がない。なぜなら、ステージ変化パワーの自体が、リチャージ5・6の遭遇毎パワーと同じように働くからである。


[移動アクション]
ここで、最初の「アクションが無効化される問題」:動けない、拘束、つかみ、伏せに関する対策を行った。単にこのような状態を終了させるようにパワー内に記述したが、これらの状態が一つでもブラッドナックルを封じ込めてしまう場合よりも、少なくとも面白い戦いになると考えた。その結果、もしPCがブラッドナックルを伏せ状態などにした場合、彼は周囲に対して範囲攻撃を行いつつ、足場を回復させることができる。

このようなパワーはボスモンスターに関して必要な処置であると考えている。問題のある状態異常は、逆にパーティにとっての障害に変化するような方法で解決したい。例えば、マインド・フレア・マスターマインドは単に魅了や支配の攻撃が効かないだけでなく、そのような攻撃を行った者の精神に逆襲する、といったようにである。

グレートクラブを持ったオーガに関しては、亀のように自ら回転しながら起き上がり、周囲に被害を与える、といったイメージでよろしく。

※訳注:PDF中のテキストだけ読むと、Wild Flailingのパワーは伏せ、移動できない、拘束、つかまれた状態でなくても使用できることになります。しかし、この解説から考えると、そういった異常状態の時のみ使用できるパワーであるという設計意図なのだと思われます。


[トリガーアクション]
Thick Headed は、残りのアクションが無効化される状態異常のうち深刻な問題になるものに対処するものである。アクションではないため、1ラウンド中に何回も行うことができる。即座にセーヴできる、ということは状態異常になる可能性もあるということであり、完璧に防ぐわけではない。

Rampage は当然のことながら、ボスモンスター全体の鍵となるステージ変化パワーである。一度接敵状態から離脱させ、ブラッドナックルの戦術的な変化を明確に伝える。

基本的に、ステージ1の間はブラッドナックルは凶悪なピット・ファイターとして戦い、Club、Stomp and Kickなどで戦う。接近することが困難な場合、一箇所にとどめておくことはそれほど難しくない。地面に立ち続けているが、走りまわることは少ない。不利な状態になることを控えようとする。

68ダメージをうけた時点で、彼はやや追い詰められたことに気づき、捨て身の攻撃を始める。



■怒れるブラッドナックル(ステージ2)
http://angrydm.com/wp-content/uploads/2010/08/bloodknuckles2.jpg
ステージ1では、ブラッドナックルは比較的足を止めて殴り合うタイプであり、パーティの前線ラインにとどまって戦っていた。ステージ2では彼の戦術を微妙に変化させ、同時に戦いの焦点を変化させたい。彼はもはや一箇所にとどまっていることは少なく、戦場全体を駆け巡ることができるようにしたい。


[ブラッドナックル ステージ2]
Furious Momentum の追加が戦術的な動機付けとなる。毎ラウンド、攻撃の前に移動を行うことを要求し、攻撃対象の選択肢が広がり、戦場を駆け巡ることになる。
モンスターを移動させたいと意図しているならば、このようなギミックはモンスターのデザインを行う際に重要となる。アヴェンジャーのパワーには、モンスターを隔離すると有利になるものがあるが、モンスター側にそういうパワーを付けてDMに戦術的な動機付けを行うこともできる。ブラッドナックルのパワーはステージ2ではほとんど変わっていないが、この特徴によって戦術面では大きな違いとなる。


[標準アクション]
ブラッドナックルはすでにそれほど押しの強いモンスターではない。彼は自由奔放に戦場を移動するため、強制移動にはそれほど頼る必要がない。Rampageパワーは彼を一箇所にとどめておくことを難しくし、3体の異なるクリーチャーに攻撃する能力によって広範囲に被害を与えることができる。


[マイナーアクション]
押しやるマス数を1マス増やし、よりRamgageを行い易くした。


[トリガーアクション]
Wild Swing はステージ3へのステージ変化パワーである。再び接敵状態から離れ、周囲の敵に被害を与える。これは、最後ステージにおける戦術をほのめかしてもいる。

このステージ2では、ブラッドナックルの速度と機動力のおかげで近接タイプのPCは彼を追いかけまわす展開になり、やれることが限られるだろう。しかし、これは永遠に続くわけではない。ブラッドナックルはオーガであるが、その体力は無限ではない。最後のステージになると、彼は衰え始める。



■重傷のブラッドナックル(ステージ3)
http://angrydm.com/wp-content/uploads/2010/08/bloodknuckles3.jpg

ブラッドナックルはもはや衰弱している。彼の速度、巧みさ、狡賢さは失せてしまう。彼ができる最良のことは荒々しくクラブをふりまわし、叩きのめすだけである。パーティはこの時点で勝利が近付いていることを感じるだろう。


[速度]
まず気づいてほしい点は速度が遅くなっていることである。ブラッドナックルは疲れきっていてパーティには勝利が近付いている。


[能力]
第三段階のボスモンスターは常に重傷である。PCは重傷の敵に対する様々な能力を持っている場合があり、それを使用できることは重要である。

ブラッドナックルはもはや強制移動に対する耐性(Immovable)を持たない。このことは彼が消耗しきっておりパーティが勝利に近付いていることをさらに印象づける。彼にはまだいくつかの必殺技が残されているが、そうであってもパーティは有利になっていることを感じるだろう。


[標準アクション]
ブラッドナックルが2回攻撃のパワーを失っていることは、書き間違いではない。彼は消耗しきっているのだ。しかし、消耗していることを示すとともに、彼が未だ無害ではないことも重要である。したがって、彼は複数の目標を攻撃できる範囲攻撃を持っている。同じ理由で幻惑攻撃も持たせる。

Stumble Forward は面白いパワーで、やはり消耗していることを示す。基本的にブラッドナックルは前方にぶっ倒れて、文字通りパーティの上で倒れる。彼は仰向けに倒れ、パーティはその周囲に押し出される。今までの傾向を注意深く観察したPCは、彼は伏せ状態であるので次に Flail Around を行うことを予想できるかもしれない。


[トリガーアクション]
即応アクションを持っていることは未だ重要であるが、ある種の優雅さや鋭さを欠いている。ブラッドナックルはすでに柔道投げの技を使用することはできず、攻撃をうけた時にクラブで相打ちにするだけである。

Final Lurch は死亡時に行うパワーである。私はボスモンスターが死に際に最後のダメージを与えるアイデアを好んでいる。この効果のイメージは、Stumble Forward で書いたのと同じものである。

posted by こてろう at 17:57| Comment(0) | ルール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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