2010年12月06日

D&D4e ボス戦についての改良案

「単独モンスターは本来、通常モンスターの5倍の戦力であるように設計されている。
たしかにHPは4倍あり、攻撃回数も通常より多くなっている。
にも関わらず実際に戦ってみると微妙になってしまうケースがある。」
この点に関する考察をD&Dのルールの著者のひとりである Chris Simsさんがブログに載せていました。

http://critical-hits.com/2010/05/03/mailbag-4-all-by-myself-part-1/

そうです、わかります。中でもドラゴンは残念な感じでした。単独の癖に精鋭以下のダメージしか出せなかったりというガッカリ感を味わうことが何度もありました。
この考察はかなり参考になるので、次回から早速試してみたいと思います。
というか、そこまで思いついてるなら、ルールブックに載せておくかドラゴンマガジンかなんかで新しい単独モンスターとしてデータ化しといてくれよ!
というツッコミを入れたいですが…。いやいや、ブログで発表してくれるのでも十分ありがたいですよね。

■パート1 単独モンスターの問題点

[1,ほとんどの単独モンスターは十分に頻繁に行動しない。]
アクションポイント2回、マイナーアクションによる攻撃、即応アクションによる攻撃を含めても足りないと言える。 標準モンスター5匹であれば、5回の標準アクション、5回の移動アクション、そして時には5回の即応アクションがあるはずなのだ。


[2,単独モンスターは一度に全部の攻撃を行わざるをえない]
標準モンスターが5匹であれば、PCがひとり行動したあとに敵の番、さらに2人行動したあとに別の敵の番、となることがあり得るが、単独モンスターの場合はそういうことは起こらない。(もちろん即応アクションなどはあるが)

[3,単独モンスターとの戦いはたいてい足を止めての殴り合いになる]
一匹しかいないので、有利な位置取りになったらそれ以上移動する必要がないのだ。

[4,単独モンスターは状態異常に弱い]
もちろん、単独モンスターにはセーブに+5のボーナスを有しているが、PCの次のターンの終了時までの効果に関しては無力である。
遭遇終了まで継続する一日毎パワーなどを使用されてしまった場合、その効果は通常の5倍もあるということになる。

[5,すべてのカッコいい出来事は開幕で行われる]
通常、パーティが単独モンスターと戦う場合、遭遇毎パワーや一日毎パワーを優先的に使っていくことになるだろう。アクションポイントも序盤に使われることが多い。それはモンスター側も同じである。その結果、戦闘終盤ではに足を止めて無限回パワーを撃ちあうというダレた感じの戦いになることに拍車をかける。

[6,中間的な達成感に欠ける]
通常の戦闘では、敵がだんだん減っていったり、重傷の敵が増えていくことで勝利に近付いていることを知ることができる。これに対し単独モンスターは重傷になる→勝利の二段階しかない。




■パート2 改良方針

[ボス戦]
・すべての単独モンスターに修正を加える必要はない。
たとえば低レベルの単独モンスターが数人の手下と共に出現する場合などは従来の単独モンスターのままで全く問題ない。
ここで提示するのは単独モンスターに変わる新しいモンスターデザイン「ボスモンスター」である。単独モンスターよりも強力というわけではないが、シナリオ上のクライマックスで出現するのにふさわしい敵役である。

[設計方針]
・単に強くするわけでなく、戦いをしまりのあるものにする。
・ルールを複雑にしすぎない。

[基本フレームワーク]
・まず、ボスモンスターを3つの段階に分ける。
各段階のボスが「死んだ」時に、次の段階が現れる。これは必ずしも全くの別モンスターに置き換える訳ではなく、構え、戦略、パワーの変更程度に留めればよい。
・遭遇全体としては、一体の単独モンスターと戦うのと同等の経験値であり、したがって3つの段階のHPの合計は単独モンスターのHPと同等である。
・最初の2つの段階はHPが半分になっても重傷状態になる事はなく、逆に最後の段階は常に重傷状態として扱われる。
・段階の移り変わりの部分は最も重要である。ある段階のボスが死亡した時点で、変化したことを示すためにある種のアクションが行われる。
このアクションを通じてパーティにいくらかの損害や状態異常を与え、パーティに隣接していない状況になる。
その後、新しいモンスターとして再登場し、すべての状態異常はリセットされて戦闘を継続するのだ。
・これは、プレイヤー側の視点からみると「遭遇終了まで有効」なパワーが1/3の価値になってしまうという不利な点があるかもしれない。しかし、そういったパワーは標準モンスターに対して使用した場合より単独モンスターに対して使用することで5倍の価値を得ていることを考えれば、5/3になってもまだ十分に有効性が高いと言える。
また、HPが3つの段階に分割されているために、HP以上のダメージを与えた場合にあふれた分が無駄になってしまう、という不利もある。しかし、標準モンスター5体と戦うならばそういった「あふれ」はより頻繁に起こっていたはずである。
・最も肝心なことは、DMはボスモンスターを出すときに、プレイヤーにボスモンスターとはどういう意味なのかをしっかり説明することである。プレイヤーは2,3ターンごとに新しいモンスターに入れ替わってすべてがリセットされるということを理解していれば、一日毎パワーやアクションポイントを最終段階まで温存したりするなどの戦略をたてることができる。
・強制離脱の要素は戦闘が膠着状態になることを防ぐためにも働く。
・ステージ変化の一環として、すべてのPCは1つの遭遇毎パワーを回復する。さらに回復力を1回フリーアクションとして使用することができる。これはボス戦中の「一瞬休憩」であり、ボスの形態変化に合わせてパーティに対応させることが目的である。
・最後に、ボスモンスターは再度イニシアチブを振りなおし、イニシアチブ順の新しい位置で行動を行う。これはアクションの順番が硬直してしまうことを若干緩和する。
・実際にはボスモンスターに以下のような特殊パワーを持たせることで実現する。(これはレッド・ドラゴン・ボスの例である)


■フューリー・オヴ・ジ・インフェルノ(フリー特殊; HPが0以下になったとき; 遭遇毎)
近接爆発2; +12 vs反応; 1d12+4 [火]ダメージ、目標を2マス押しやる;
ミス:目標を2マス押しやる;
効果:ドラゴンは移動速度までの移動を行い、敵と隣接していない地点へと行く。
すべての敵は自身の選択した一つの遭遇毎パワーを回復する。また、回復力を1回使用することができる。
このアクションが解決された後、「レッド・ドラゴン」を「怒れるレッド・ドラゴン」に置き換え、この戦闘に参加する新しいクリーチャーとして扱う。
怒れるレッド・ドラゴンは新たにイニシアチブロールを行う。
特殊:ドラゴンは、フリーアクションを行うことが出来ない状態になっていたとしても、このアクションだけは行う事ができる。


[個別データブロック]
各個別のデータブロックは実際には通常のモンスターとそれほど変わらない。DMGとDMG2に書かれている単独モンスターの指針はほとんどそのまま適用される。個別データブロックにはそれほど多くの遭遇毎パワーを必要ない。なぜならば、それぞれは遭遇の1/3しか続かないからである。リチャージパワーも必要ない。なぜならば、次の段階に進めば新しい遭遇毎パワーを得るからである。従来の「リチャージ5・6」のパワーが「遭遇毎」に相当する感じになる。
アクションポイントに関してはひとこと言っておきたい。各個別の段階はそれぞれ2つのアクションポイントを持ち、合計4回の追加アクションポイントは従来の単独モンスターの問題点として挙げた攻撃回数が少なすぎる問題を改善するだろう。これに加えて単独モンスターの標準アクション、マイナーアクション攻撃、オーラ攻撃があれば十分に戦闘を盛り上げることができる。
※訳注:このあとChris氏は思い直したらしく、後述するサンプルではアクションポイントは1ずつになっています。


[ボスとの戦い:可能性]
単独モンスターを3段階に分割するアイデアの変形版として、例えば2段階目を複雑度2〜3の技能チャレンジにする、などの応用も可能である。成功したら有利な地点で最終戦が始まり、失敗した場合は不意打ちを受ける。または、手下が増えたりすることもあり得る。これらの遭遇の経験点は、それぞれ本来の単独モンスターの1/3ずつである。各々のステージは1つの遭遇の一部であるためマイルストーンに達することはない。途中で小休憩をとろうとしても敵に邪魔される。

また、3段階ともモンスターである場合でも、いろいろな可能性がある。ある防御値がだんだん上がっていき、別の防御値が下がっていく、などである。この変化を活用して、各ステージで異なるPCが活躍できるようにするなどは賢いやり方だろう。

各段階にはストーリー的な意味を持たせることも忘れてはいけない。例えば、レッド・ドラゴンの場合、最初は標準的な兵士役のモンスターである。パーティにはたいした脅威にはならないだろう。しかし、第二段階である怒れるレッド・ドラゴンとなると、本来の炎のパワーを解き放ち、近寄ることすら困難になる(オーラ2:[火]ダメージと移動困難地形) 。さらに第三段階、重傷のレッド・ドラゴンにまで追いつめられる、炎攻撃の能力を失い、追いやられた破れかぶれのモンスターとなるのだ。

氷の張った湖でホワイト・ドラゴンと遭遇した場合、また違った出来事が起こりうる。第二段階ではドラゴンは氷の中にダイブして、あたり一面の誰も彼もを水中深くにある自らのすみかへ誘いこもうとする。パーティは多くの[冷気]ダメージを受ける前に、砕かれた湖の向こう岸によじ登るか、水中から脱出する技能チャレンジを行わなくてはならない。脱出に時間がかかってしまった場合は、ドラゴンは崩壊寸前の氷壁の前で不意打ちをしてくる。このケースの場合、第二段階は完全に技能チャレンジに置き換えられ、第三段階では重傷状態のドラゴンと遭遇することになる。

リッチ・キングの場合はどうだろう?彼は最初は砲撃役(制御)モンスターとして登場する。パーティが優位に立つと、石棺の中に逃げこみ死霊エネルギーを吸収し始め、その間の時間稼ぎとして3体のスケルトンを召喚する。スケルトンを倒すまで石棺は決して開かれることは無く、スケルトンが全滅した時点でリッチ・キングが再登場する。彼は重傷状態ではあるが、死霊エネルギーをシャドウフェルから吸収したばかりであるため、より強力かつ危険な敵となっている。


[なぜ3段階なのか?]
他の数値でなく3段階としたことには理由がある。
これはダイナミックかつ物語に緊張感を与える基本構造:序・破・急を想定している。また、各ステージが2〜3ラウンド程度で終わると思われるのも調度良い。元気なパーティであれば遭遇毎パワーや一日毎パワーをふんだんに使用してこの遭遇をクリアすることができる。疲れきったパーティであったとしても、半分以上を遭遇毎パワーで戦い隙間を無限回パワーで埋める程度ですむはずだ。


[アクションを無効化する問題]
ステージ制の戦いと、追加のアクションポイントによって、単独モンスターの欠点が改善でき、さらに新たなエキサイティングな可能性が追加された。ステージ変化の際にすべての状態異常がリセットされる。しかし、相変わらずアクションが無効化されてしまうことはボスとの戦いでは問題である。セーヴに+5ボーナスがあることだけでは、十分に機能しているとは言えない。

この問題を解決するにはいくつかの解決策が考えられるが、そのいくつかはプレイヤーに著しく不利になってしまう。例えば、コンピュータRPGなどでよくあるように、ボスモンスターを「状態異常に対する完全耐性」をもつようにすることである。しかし、これはやり過ぎである、パーティには少なくとも状態異常を起こさせる可能性はあるべきである。

ここでは、各ボスモンスターに以下のようなパワーを持たせることにする:

■ボスモンスターの安定性(特性)
攻撃によってボスモンスターが伏せ状態になったとき、即座にセーヴィング・スローを行う。成功したら伏せ状態にならない。このセーブには通常通り+5のボーナスは適用される。


■ボスモンスターの抵抗力(特性)
ボスモンスターのターンの開始ごとに、もしボスモンスターが幻惑、移動できない、朦朧のいずれかの状態になっていたら、そのうち一つを選択し、セーヴィング・スローを行う。このセーブには通常通り+5のボーナスは適用される。成功したらその状態異常がセーヴ終了でなくても即座終了し、モンスターはこのターンを通常通り行動することができる。


これらの2つのパワーで、伏せやアクションが出来なくなる異常状態になる確率はわずか20%しかないことになる。標準モンスター5体であれば、5体のうち1体にしか効果がないであろうことを考えれば妥当といえる。さらに、複数の状態異常を積み重ねれば「ボスモンスターの抵抗力」の有効性は限定的となる。


[結論]
段階制のボスモンスターのフレームワークで、単独モンスターの問題点はだいぶ解消された。パート3では具体的にサンプルのボスモンスターを示す。ただし、これは開発中の要素であり、少ししかテストしていない。 試しにプレイしてみた結果や良いアイデアがあれば e-mail で教えてください。

■パート3 ボスのサンプル1
「ブラッドナックル」 LV3 ボスモンスター
http://angrydm.com/wp-content/uploads/2010/08/bloodknuckles.pdf

■パート4 ボスのサンプル2
「ヤング・レッド・ドラゴン」 LV9 ボスモンスター
http://angrydm.com/wp-content/uploads/2010/08/young_red_dragon1.pdf

※パート3、4には詳細なボスモンスターの解説が載っていますが、今回は力尽きたのでここまでで。
posted by こてろう at 18:45| Comment(0) | ルール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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